Health & Money

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「ライフプランを実現させよう」(1)
「最高を願い、最悪に備える」

株式会社フェリーチェプラン代表取締役
田中香津奈

( 2009/10/01 )

ライフプランとはどういうものですか?

 ライフプランとは、生涯を通じた生活設計のことで、生き方や暮らし方、それに伴うお金の使い方などの具体的な計画のことです。

 その計画の前提となるのはやはり「健康」です。健康だからこそ十分に働くことができ、それによってお金を稼ぐことができます。そして稼いだお金の一部を貯蓄のため銀行に預けておくのが、多くの人が行っている預貯金になります。預貯金は、原則として元本割れしないので、安心して生活するための「ベース」となる資金と言えます。

 戦後の日本が、奇跡的な復興を成し遂げたのは、国による預貯金奨励政策が大きな要因の1つと言われています。郵便局(現ゆうちょ銀行)や銀行に預けられた個人のお金が、公共事業や企業融資に回るシステムが成功を収めて、それがさらに再投資される、という構図ができあがったのです。高度成長下の日本は、預貯金比率が高かったため、使える資金が潤沢に集まり、現在の中国のような右肩上がりの時代だったのです。

ライフプランイラスト

ライフプランに必要なお金は預金だけ?

 近年、低金利の時代が長く続き、「貯蓄から投資へ」という風潮が強まっており、株や投資信託などを買って投資する人が多くなっています。預貯金だけでは、お金を大きく増やすことができなくなったからです。

 「投資はお金を大きく増やすことができる」というイメージがありますが、実際は失敗する人も多いものです。投資は、大きく増やす可能性もある代わりに、大きく減らしてしまうリスクもあります。なぜなら預貯金と違い、運用のリスクを投資家自身が負わなければならないからです。

 日本人が一般的に、投資があまりうまくないとされる理由の1つは、預貯金文化に慣れ親しんでいるからではないでしょうか。給与が振り込まれても、その一部を外貨預金などにして、お金の価値が目減りしないようリスク分散する、などという人は少数派で、多くの人は、銀行口座に入れたままにしておきます。

 そういうタイプの人が投資を始めた場合、往々にして起こりうるのが、「買う」ことはできても「売る」ことはできないというケースです。世界を金融危機に陥れたサブプライムローン問題のときも、「損切り」などの売買テクニックを駆使することなく、あれよあれよという間に株価は下がり続け、所有する株などの資産価値が、買ったときの40〜70%程度にまで下がってしまった人も多かったようです。

 このような状況下でも、やり方次第で大きな損失は避けられたかもしれませんし、どんなに悪い状況でも、うまくお金を増やす投資家はいます。

 投資は、将来、年金制度など日本の社会保障制度が危うくなったときの備え、という側面も考えられますが、やはりお金を有効に増やして、より大きな豊かさを求めるためのもの、つまり余裕資金がある場合「最高を願って」行う行為、と言えるでしょう。

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それでは「保険」の持つ意味は?

 ここまでは、みなさんが健康であることを前提に話をしてきました。しかしひとたび病気やケガをすれば、長期の入院が必要になったり、それまでのようには働けなくなることもあります。

 普段健康な人ほど、こうしたケースをイメージしないものでしょう。健康診断や人間ドックを受けて何の問題もなければ、なおさらのこと、「私に限って重い病気になることはないし、健康はいつまでも続く」と思いがちです。ましてや「自分にある日突然、予期せぬ死が訪れるかもしれない」などとも考えないものです。

 しかし言うまでもなく、入院や介護が必要となる病気やケガ、あるいは突然の死などは、だれにでも起こりうることです。そしてそのような予期せぬ出来事が起こったときでも、自分自身や家族のライフプランをできるだけ破綻させないようにするものが「保険」なのです。

 つまり「預貯金」がライフプランを支える「ベース」、「投資」が「最高を願って」する行為とすると、「保険」は「最悪に備えて」入る金融商品と言うことができるのです。

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預貯金は安心して生活刷する為のベース、投資は最高を願って行なう行為、保険は最悪時の備えイラスト

「保険」のメリットを生かすには?

 日本に最初に保険を紹介したのは、慶応義塾大学の創設者である福沢諭吉氏と言われています。保険は本来「先人達の英知の結晶」と言われるものですが、近年大きな社会問題となった「保険金の不払い」などで、そのイメージの一部がゆがめられてしまったことは否定できません。しかしそのことだけによって保険を否定的にとらえてしまうと、私たちは「最悪に備える」ための有効な手段を失ってしまうことになります。

 保険をうまく活用して最悪に備えなければ、当初、思い描いていたライフプランの実現が難しくなることもあるでしょう。そしてそれは、あなただけでなく家族のライフプランにも影響を与え、その実現を危うくすることにつながるかもしれません。

 もちろん実際の保険商品は多種多様で、掛け金に比べて保障が充実しているものから、あまり「最悪時の備え」になりそうもないものまであります。私たち一人ひとりが、それぞれに起こりうるリスクを十分に考慮して、より効果的な保険を選ぶことが、真に「最悪時の備え」となり、保険に入るメリットを十分に受けられることになるのです。

 次回は、「保険」についてさらに詳しくお話をしたいと思います。

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田中香津奈(たなか・かづな)

株式会社フェリーチェプラン代表取締役
ファイナンシャルプランナー/住宅ローンアドバイザー/きき酒師

外資系生命保険会社退職後、ファイナンシャルプランナーの資格を取得。2005年フェリーチェプラン設立。「攻めのお金」と「守りのお金」という視点での、独自のマネー解説は分かりやすいと好評。保険、投資、不動産、クレジットカード、電子マネーと幅広い分野に精通し、テレビ出演や新聞・雑誌への執筆多数。著書に『晴れた日に傘を買う人はお金が貯まる』(扶桑社)がある。日本酒にも造詣が深く「きき酒師」の資格も持つ。
<公式サイト:http://www.fp-kazuna.com

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