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医療費控除活用術
所得控除を受けて医療費の負担を軽くしよう!

医療ライター
渡辺千鶴

( 2011/09/27 )

病気になると通院費など健康保険では賄えない出費がかさむ

 病気になると治療費や入院費だけでなく、通院費や医療器具の購入費など、さまざまな費用がかかります。その多くは健康保険の対象ではないので全額自己負担となり、家計の出費もかさみます。このような医療費の自己負担を少しでも軽減するために利用したいのが医療費控除です。

 医療費控除とは、一定の収入がある人が自分または生計を共にする家族のために医療費を支払った場合、所得控除を受けられる制度です。所得控除は、所得税や住民税を計算するときに、所得から差し引くことができ、課税されません。医療費控除制度を利用することで、払った所得税の中から一部払い戻しを受けることができます。

 医療費控除の対象となるのは、その年の1月1日から12月31日までに支払った医療費で、次の計算式により算出されます。

医療費控除の計算式
医療費控除額(最高200万円まで)=(1年間に実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補てんされる金額)-10万円*

※その年の総所得額などが200万円未満の人は総所得額などの5%の額



 この計算式の中で示されている「保険金」とは、生命保険契約で支給される入院給付金や健康保険で払い戻されたり支給されたりする高額療養費、家族療養費、出産育児一時金などのことです。

美容整形や眼鏡購入にかかる医療費は控除の対象外

 医療費控除を受けるには、医療費の支出を証明する書類(領収書など)を確定申告書に添えて所轄の税務署で手続きをします。給与所得のある人は給与所得の源泉徴収票(原本)も必要です。医療費控除は過去5年間ならさかのぼって申告できます。手続きの期間は、2月15日から3月15日までの間になります。この期間は、一般の確定申告をする人で税務署は大変込み合います。医療費控除等の還付申告は確定申告期間以前でも受付可能なので、早めに手続きができるよう、新年を迎えたら必要な書類を用意しておくことをお薦めします。

  医療費控除の対象となるもの・ならないもの


医療費控除の対象となるもの・ならないもの

 控除の対象となる医療費には、医師や歯科医師による診療費をはじめ、通院費や医療用器具の購入費、薬局で購入した一般医薬品、介護保険サービス(訪問看護や訪問リハビリテーション、デイケア、ショートステイなど)の利用料、治療目的のマッサージ、指圧、鍼灸、柔道整復の施術料など、いろいろなものがあります。

 医療費の中には控除の対象にならないものがあるので注意しましょう。例えば、美容整形手術の費用、健康診断や人間ドックの費用、近視や遠視、老眼のための眼鏡購入費用、家族や親族に支払った介護料、病気の予防や健康増進のための健康食品の費用などは対象外です。

 ややこしいのが通院費で、公共の交通機関やタクシーを利用した場合は医療費控除の対象として認められますが、自家用車で通院する際にかかったガソリン代や駐車料金は認められません。健康診断や人間ドックの費用も異常が見つかり、治療を受ける必要がある場合は医療費控除の対象になります。詳しいことは最寄りの税務署にお問い合わせください。



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渡辺千鶴(わたなべ・ちづる)

医療ライター

愛媛県生まれ。京都女子大学卒業。医療系出版社を経て、フリーランスに。医療・看護・介護分野を中心に編集・執筆に携わる。共著に『日本全国病院<実力度>ランキング』『知っておきたい病気の値段のカラクリ』(共に宝島社刊)『がん—命を託せる名医』(世界文化社刊)などがある。東京大学医療政策人材養成講座1期生。現在、総合女性誌『家庭画報』で「希望をつなぐ先端医療」を連載中。

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